
メキシコで大量の豚インフルエンザ感染者が発生した。
すでにメキシコでは死者85人、アメリカやカナダでも死者が出ている。
今のところ日本では感染者は出ていないが、アメリカからの輸入肉などには今後注意が必要。
今後、どれだけ広がるか、人から人へ感染したとなると、パンデミックとはいかないまでも、大量の死者が予測される。
メキシコ政府は豚インフルエンザの感染拡大抑止に向け、感染者の隔離や行動制限などの緊急措置を発表した。すべての施設や住居に対する強制調査、娯楽施設の臨時閉鎖、陸海空の交通規制、治療器具や医療衛生用品輸入にかかわる行政手続き免除など13項目で、即日実施した。同保健相によれば、感染が集中している首都メキシコ市とメキシコ、サンルイスポトシ両州では、公立私立ともすべての学校の休校措置を5月初旬まで継続。また、市民に不安が広まっていることを受け、26日からテレビ・ラジオで特別番組を生放送し、市民からの質問受け付けや情報提供を行うという。
Q.豚インフルエンザとは何か?
A.豚の間で広がるウイルス感染の病気で、肺など呼吸器に障害を引き起こす。季節的には秋や冬に感染が増えるが、1年を通じて見られている。豚の感染率は高いものの、死亡率は1―4%にとどまっている。豚同士の感染は、北米や南米、欧州、アフリカに加えて、日本と中国を含めた東アジアでも発生している。
Q.これまでも人への感染はあったのか?
A.人が感染した症例は時々、報告されてきた。大半は、季節的なインフルエンザを監視する中で見つかってきた。感染した豚からうつされたケースがほとんどだが、中には人から人に感染した例もあった。ただ、密接な接触があった場合だけだった。
Q.豚肉は食べてもいいのか?
A.きちんと加工された豚肉から人に感染したことはない。豚インフルエンザのウイルスは70度以上で調理すれば死んでしまう。
Q.大流行する心配は?
A.普段、豚に接しない大半の人には感染を防ぐ免疫はないようだ。豚インフルエンザが人から人に容易に感染するようになると、大流行が起こる可能性がある。豚インフルエンザのウイルスは、人に感染するウイルスの遺伝子と混じり合って変異する恐れもあり、世界保健機関(WHO)は警戒を強めている。
Q.ワクチンや薬は効かないのか?
A.ウイルスはとても早く変化していく。WHOの勧告に基づいて作られた現在の季節的なインフルエンザ用のワクチンでは、封じ込めることはできない。今回、米国で見つかった豚インフルには、インフルエンザ治療薬の「タミフル」などは効いたが、一部の薬は効果がなかった。
今後のインフルエンザ感染状況に注意したい。